170A23R:SLKクラスの性能と維持費 FR/5AT 720万円 1999年式

このページでは、AMGの2ドア・2人乗りオープンカー、初代のGF-170A23R型SLKクラス SLK230 R170【1999/10モデル・193PS/28.6kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

170A23R SLKクラス
販売期間:1997/04 - 2000/11

画像はAMGより引用
http://mercedes-amg.jp/
投稿:2012/02/07|更新:2023/11/01

ボディサイズが全長3995mm×全幅1745mm×全高1265mm、排気量は2294ccであることから、大雑把に分類すると2.3リットルクラス(2300cc、自動車税は2.5L以下を適用)に属し、全長、全高は5ナンバー枠ながら全幅が1.7mを超え、排気量も2000ccを超えていることにより3ナンバー登録になります。比較的コンパクトなボディに大きめなエンジンの組み合わせは世界戦略車(グローバルカー)やちょっとした高級車に良くあるパターンです。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が3995mmであるこの車の場合は「ロア ミディアム」(Lower-Medium:3850mm超-4300mm以下・Cセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


170A23R型 SLKクラス [2294cc/193PS FR/5AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

No Data
タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
No Data
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート
SLKクラスの新型モデル
2代目 171473型SLKクラス
171473型SLKクラスは2004/09に登場した2代目モデル。参考車両の「SLK55-AMG R171」は全長4105mm、全幅1810mm、全高1290mmの車体に、360PS/52.0kgmを発生する113M55型5438ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー AMG
車名&
グレード
SLKクラス
SLK230 R170
その他 -
お値段 7200000円
車両型式 GF-170A23R
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
5速AT・5速オートマ車
ドア/定員 2ドア/2名乗車
車体寸法 長3995×幅1745×高1265mm
軸距&
輪距
2400mm
前1490mm/後1485mm
最小半径 4.9m
タイヤ 前輪:225/45R17
後輪:245/40R17
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
車両重量 1370kg
エンジン諸元
原動機型式 M1117
気筒配列 直列4気筒
排気量2294cc
圧縮比8.8
吸気方式 スーパーチャージャー
最高出力 193PS[142kW]/5300rpm
最大トルク 28.6kgm[280Nm]/2500-4800rpm
使用燃料 ハイオクガソリン
10・15燃費 8.9km/L(20.9mpg)
100km燃費 11.2L/100km
M1117型エンジンの諸元と性能まとめ
直列4気筒とは‥シリンダを真っ直ぐ一列に4個配置する方式。小排気量から2.5Lあたりまでをカバー。
直列4気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税51700円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税18900円/年と自賠責保険料8825円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額6000円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1999/10モデルのSLKクラスを25年落ちの中古で158.4万円にて購入し、頭金なしで3年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    SLKクラスの1999/10モデルの場合、2024年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である144万円に諸経費として14.4万円を足した158.4万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
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1999年式を25年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 2500cc以下 13年経過 51700円
自動車重量税(1年分) 1.5トン以下 18年経過 18900円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
10000km÷7.6km/L×180円/L
7000km÷7.6km/L×180円/L
5000km÷7.6km/L×180円/L
3000km÷7.6km/L×180円/L
236840円
(165790円)
(118420円)
(71050円)
オイル交換(5000km毎) 1回6000円×2回 12000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本15000円×4本÷5年 12000円
任意保険料(月額6000円) 月額6000円×12ヶ月 72000円
ローン完済後の年間維持費 412300円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額44000円×12ヶ月 528000円
ローン返済中の年間維持費 940300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 58500円
名目 金額
自動車税(1年分) 51700円
自動車重量税(1年分) 18900円
自賠責保険料(1年分) 8825円
年間10000km走行燃料代
年間7000km走行の場合
年間5000km走行の場合
年間3000km走行の場合
236840円
(165790円)
(118420円)
(71050円)
オイル交換(5000km毎) 12000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 12000円
任意保険料(月額6000円) 72000円
ローン完済後の年間維持費 412300円
名目 金額
車のローン額(1年分) 528000円
ローン返済中の年間維持費 940300円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
58500円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「2500cc以下で13年経過」クラスの自動車税は51700円、「1.5トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は18900円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに6000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本15000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額6000円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 2021年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 燃料消費率が緑文字のWLTCモード燃費はカタログ値の100%を、青文字のJC08モード燃費は93%を、赤文字の10・15モード燃費は85%を実燃費と仮定して計算。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした58500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が30万円前後では曖昧だった貧民と平民の線引きがこの辺りから明確になってきます。月換算で3万円~4万円、年間では36万円~48万円クラスとなると、それなりの収入が継続的に見込めないと手を出せないクラスです。

SLKクラス【SLK230 R170】の場合、維持費の月額は34400円(ローン完済前は78400円)になります。金銭的にシビアな人からは「車なんてどれもタイヤが4つあるだけなのに、なんでこんなにお金の掛かる車に乗ってるんだ…修行か…」と奇異の目で見られていることでしょう。でも良いんです。愛さえあれば。


燃料価格が高騰したり下落したりの燃料代シミュレーション

現代の社会というものは地から湧き出る油により支配されており、油そのものの価格の高騰と下落、為替の値動き(円安と円高)など、その時々の世界情勢に応じて価格が変動するたびに右往左往させられます。

ここ最近は原油高+円安という、爪に火を点しながら生活している庶民にとっては最も好ましくないシチュエーションの真っ只中にあり、「なんとかなれーッ!なんとかなれーッ!」と祈りながら日々を過ごしている人も少なくないことでしょう。

というわけで、原油安+円高の時勢を夢見て将来の皮算用をする、あるいは原油高+円安に備えて無欲を極めるなどするために、ハイオクガソリン1リットルあたり180円を基準として、-50円となる130円から、+50円となる230円の間で変化した場合の10000km走行燃料代を、燃費7.6km/Lとしてシミュレーションしてみました。

燃料価格/L10000km燃料代
[差額]
-50円
130円/L
171060円
[-65780円]
-25円
155円/L
203950円
[-32890円]
-10円
170円/L
223690円
[-13150円]
180円/L236840円
[0円]
+10円
190円/L
250010円
[+13170円]
+25円
205円/L
269740円
[+32900円]
+50円
230円/L
302640円
[+65800円]

燃費7.6km/Lの170A23R型 SLKクラスで10000km走行するのに必要な燃料は1315.8L、1リットルあたり180円としたときの燃料代は236840円になります。

参考までに、SLKクラスの燃料タンクは53リットルですので、1315.8Lの給油回数は25回、1回あたりの燃料代は約9480円です。

ここから10円安く、あるいは高くなった場合、燃料代としては13170円の上下となり、(差額だけで見れば)まだどうにかなる範囲です。が、もしこれが25円になると32900円、50円も違ってくると65800円にもなります。

これを170A23R型 SLKクラスの年間維持費に当てはめてみますと、ハイオクガソリン1リットルあたり180円の場合を412300円としたとき、130円/Lに値下がりすれば346520円(84.0%)に、230円/Lに値上がりすれば478100円(116.0%)になる計算です。

安くなるものについては自動車税(51700円)なり重量税(18900円)なりの税金、各種消耗品の交換整備に充当することもできますが、問題は高くなった場合です。

ただでさえ燃料代が嵩んでいるのに(ガソリンの半分は税金でできています)、原油が高くなればエンジン、ミッション等の油脂類、タイヤ代も当然値上げ、さらに上乗せできっちり徴税されるのですから、まったくもって自動車の維持費は青天井です。

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低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 23%
自動車重量税 1年分 18900円 9%
自賠責保険料 1年分 8825円 4%
燃料代 3000km分 71050円 32%
オイル交換 年1回 6000円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 4%
任意保険料 80% 57600円 25%
合計
[1万kmとの差額]
222100円
-190200円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 19%
自動車重量税 1年分 18900円 7%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 5000km分 118420円 43%
オイル交換 年1回 6000円 2%
タイヤ交換 6年毎 8000円 3%
任意保険料 85% 61200円 23%
合計
[1万kmとの差額]
273100円
-139200円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 16%
自動車重量税 1年分 18900円 6%
自賠責保険料 1年分 8825円 3%
燃料代 7000km分 165790円 51%
オイル交換 年1回 8400円 3%
タイヤ交換 6年毎 8000円 2%
任意保険料 90% 64800円 19%
合計
[1万kmとの差額]
326500円
-85800円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料72000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて190200円安い222100円に、5000km走行では139200円安い273100円に、7000km走行では85800円安い326500円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 9%
自動車重量税 1年分 18900円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 2%
燃料代 15000km分 355260円 63%
オイル交換 年3回 36000円 6%
タイヤ交換 2.7年毎 18000円 3%
任意保険料 100% 72000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
560700円
+148400円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 51700円 7%
自動車重量税 1年分 18900円 3%
自賠責保険料 1年分 8825円 1%
燃料代 20000km分 473680円 68%
オイル交換 年4回 48000円 7%
タイヤ交換 2年毎 24000円 3%
任意保険料 100% 72000円 11%
合計
[1万kmとの差額]
697200円
+284900円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。



SLKクラスの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
10・15モード燃費 8.9km/L
燃料タンク容量 53L
航続距離(カタログ燃費) 471.7km
航続距離(80%燃費) 376.3km
満タンプライス 9540円
1km走行コスト 20.22円
1万円でどこまで行ける? 494.4km
車両価格/航続距離 15264円/km

10・15モード燃費が8.9km/L、燃料タンク容量53リットルとすると、カタログ燃費の通りに走行できれば航続可能距離は471.7kmになります。

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(8.0km/L)とすると424.0km、80%(7.1km/L)だと376.3km、70%(6.2km/L)では328.6kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリンを1リットルあたり180円で53リットルの給油をすると9540円、上で計算した航続距離を踏まえると471.7km(80%燃費時376.3km)を走行するのに9540円かかる計算です。

燃費を7.6km/Lとしたときの1km走行コストは20.22円、10万km走行したときの燃料代は202.2万円です。この金額は燃費と使用燃料(レギュラー・ハイオク・軽油など)の単価により変動します。10年10万kmなら20.2万円/年、7年10万kmなら28.9万円/年、5年10万kmなら40.4万円/年、3年10万kmなら67.4万円/年となります。


ついでに1万円の燃料代でどこまで行けるかも計算してみますと、カタログ通りの燃費で走行できれば494.4km(往復なら片道247.2km)、カタログ値の80%なら395.6km(片道197.8km)離れたところまで行くことができます。

ちなみに、1回の給油で471.7kmの距離を移動できる170A23R型 SLKクラス [SLK230 R170]という乗り物を、720.0万円で手に入れたと考えたとき、この車が1km走行するにあたっては「15264円の値打ちがある!」と言える、かもしれません。


カタログデータから見えてくる要素

M1117型エンジン簡易性能曲線図
M1117型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
2500回転時の馬力 100PS
4800回転時の馬力 192PS
5300回転時の馬力 193PS
各回転域でのトルク
2500回転時のトルク 28.6kgm
4800回転時のトルク 28.6kgm
5300回転時のトルク 26.1kgm
M1117型エンジンの性能

まずおさらいとして、搭載しているM1117型2294cc、直列4気筒のスーパーチャージャー付きエンジンは5300回転時に最高出力193馬力を、2500-4800回転時に最大トルク28.6kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、低めの回転数から中間域にトルクのピークがあるこのエンジンは、街中での普段使いに心地よく、高回転もそれなりでバランスの取れたタイプです。多くの乗用車がこの特性に当て嵌まるのではないかと思います。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する2500rpmから最高出力が発生する5300rpmまで」の2800rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は52.8%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
2500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
2500cc以下クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ7.098kg/PS(1370kg/193PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ7.098kg/PS
車体+1人7.383kg/PS
車体+2人7.668kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg7.409kg/PS
車体+70kg7.461kg/PS
車体+80kg7.513kg/PS
車体+90kg7.565kg/PS
車体+100kg7.617kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは7.383kg/PS(1425kg/193PS)となり、数値としては0.285kg、比率にすると4.0%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの2人が搭乗した場合、車両重量に110kgがプラスされてパワーウェイトレシオは7.668kg/PS(1480kg/193PS)となり、数値としては0.570kg、比率にすると8.0%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


170A23R SLKクラスのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1999/10

-
SLKクラス
7.383kg/PS
1425kg/193PS|2.3L-SC
[車体のみPWR:7.098]
2017/09

車種詳細
スイフト スポーツ
7.321kg/PS
1025kg/140PS|1.4L-TB
車体のみPWR:6.929
2010/12

車種詳細
FJクルーザー
7.228kg/PS
1995kg/276PS|4.0L-NA
車体のみPWR:7.029
2012/08

車種詳細
ラングラー アンリミテッド
7.377kg/PS
2095kg/284PS|3.7L-NA
車体のみPWR:7.183
2017/09

車種詳細
シビック
7.555kg/PS
1375kg/182PS|1.5L-TB
車体のみPWR:7.253
2015/08

車種詳細
LX
7.361kg/PS
2775kg/377PS|5.7L-NA
車体のみPWR:7.215

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ7.383kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

7.162kg/PSから7.604kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スズキの5人乗りハッチバック「ZC33S型 スイフト スポーツ」、トヨタの5人乗りSUV「GSJ15W型 FJクルーザー」、JEEPの5人乗りSUV「JK36L型 ラングラー アンリミテッド」、ホンダの5人乗りハッチバック「FK7型 シビック」、レクサスの8人乗りSUV「URJ201W型 LX」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

170A23R型 SLKクラス [SLK230 R170]とパワーウェイトレシオが近い車種|7.383kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は140.9PS/tとなっています。


SLKクラスがバイクと競争するなら…?


車種詳細
TMAX|499cc
7.368kg/PS
280kg/38.0PS/4.60kgm
[車体のみPWR:5.921]
1999/10

-
SLKクラス|2294cc
7.383kg/PS
1425kg/193PS/28.6kgm
[車体のみPWR:7.098]

車種詳細
Ninja 250|248cc
7.387kg/PS
229kg/31.0PS/2.10kgm
[車体のみPWR:5.613]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではSLKクラスとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

SJ04J TMAXと競争してみる

まずSLKクラスより少しPWRが低いバイクとして、ヤマハのTMAXが挙げられます。PWRの7.368kg/PSは車両重量225kgにライダーの体重55kgを加えた280kgを、最高出力38.0PSで割ったものです。

EX250L Ninja 250と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのNinja 250が挙げられます。PWRの7.387kg/PSは車両重量174kg+55kgの229kgを、最高出力31.0PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.613
平均ピストンスピード 15.62m/s
トルクウェイトレシオ 47.90kg/kgm
1馬力あたりのお値段 37306円
排気量1Lあたり馬力 84.13PS/L
排気量1Lあたりトルク 12.47kgm/L
1気筒あたりの馬力 48.2PS
1気筒あたりのトルク 7.2kgm
パワーバンド比率 52.8%
燃費×馬力 1461.0pt
各種ランキング
オープンカーのPWR
2.0~2.5Lターボ車のPWR

トルクウェイトレシオは47.90kg/kgm(1370kg/28.6kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が7200000円、最高出力が193馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は37306円、逆に1万円あたりでは0.27馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は251748円、1万円あたりでは0.04kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
2500cc以下の車編
オープンカー編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は84.13PS/L、トルクは12.47kgm/L、1気筒あたりの馬力は48.2馬力、トルクは7.2kgmとなり、このエンジンが193馬力を5300回転で発生させているときの平均ピストンスピードは15.62m/sです。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

ちなみに、ストローク量が88.4mmであるM1117型エンジンの場合、平均ピストンスピードの上限を20.0m/sとしたときの高回転化の上限は6790回転です。設定されているレブリミットがこの回転数を超えている場合、長年に亘って平均ピストンスピードの目安とされてきた20.0m/sを超えてピストンが往復運動していることになります。レブリミットがこの回転数以下の場合は高回転化してパワーを引き出すチューニングの目安になるかもしれません。
平均ピストンスピードが速い車ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.613になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと小回りを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング

●低燃費かつ高出力な車を調べるための指標として「燃費×最高出力」の数値を用いる場合、燃費が7.57km/L、最高出力が193PSであるこの車の獲得ポイントは1461.0ptになります。
戯れに車両重量1370kgを100kg単位にした13.7で割ってみたところ、その数値は106.64ptとなりました。(燃費が良くてパワーがあって速い車を探すのに使えるかも?)



純正装着タイヤの245/40R17と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 245/40R17 | 直径 628mm

-20mm
幅225mm
-10mm
幅235mm
変更なし
幅245mm
+10mm
幅255mm
+20mm
幅265mm
-5%
35
扁平
225/35R17
37.6km/h
直径590mm
径差-38mm
235/35R17
38.0km/h
直径597mm
径差-31mm
245/35R17
38.5km/h
直径604mm
径差-24mm
255/35R17
38.9km/h
直径611mm
径差-17mm
265/35R17
39.4km/h
直径618mm
径差-10mm
0%
40
扁平
225/40R17
39.0km/h
直径612mm
径差-16mm
235/40R17
39.5km/h
直径620mm
径差-8mm
245/40R17
40.0km/h
628mm
0mm
255/40R17
40.5km/h
直径636mm
径差+8mm
265/40R17
41.0km/h
直径644mm
径差+16mm
+5%
45
扁平
225/45R17
40.4km/h
直径635mm
径差+7mm
235/45R17
41.0km/h
直径644mm
径差+16mm
245/45R17
41.6km/h
直径653mm
径差+25mm
255/45R17
42.2km/h
直径662mm
径差+34mm
265/45R17
42.7km/h
直径671mm
径差+43mm
+10%
50
扁平
225/50R17
41.8km/h
直径657mm
径差+29mm
235/50R17
42.5km/h
直径667mm
径差+39mm
245/50R17
43.1km/h
直径677mm
径差+49mm
255/50R17
43.8km/h
直径687mm
径差+59mm
265/50R17
44.4km/h
直径697mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、225/40R17 、235/35R17、235/40R17 、245/35R17 、255/35R17 、265/35R17あたりのタイヤがおすすめです。

245/40R17のタイヤ幅を225mmから275mmまで、扁平率を25%から55%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを17インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが245/40R17のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはタイヤ通販をご利用ください。
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170A23R型SLKクラス[2.3L-SC FR/5AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト7.098kg/ps57.30
1速ギヤ加速性能-39.92
1L換算馬力84.13ps/L43.16
1L換算トルク12.47kgm/L39.31
WB/TR比1.61366.49
ワイド&ロー指数0.72562.15
前面の面積2.207m²61.72
最低地上高-43.72
スポーツ性能部門の得点413.77

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
10-15燃費8.9km/L40.96
年間維持費412300円42.22
100kmh回転数-43.39
航続距離471.7km35.86
車の大きさ8.819m³39.58
室内の広さ(仮) 1.599m³32.72
最小回転半径4.9m55.83
馬力単価37306円29.06
ユーティリティ部門の得点319.62

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した 170A23R型SLKクラス[2.3L-SC FR/5AT] の総合得点は 733.39 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介した170A23R型SLKクラス(FR/5AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのオープンカー」、「2500ccのオープンカー」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

SLKクラスの歴代モデル

3代目 172434型 SLKクラス
172434 SLKクラスは2011/07に登場した3代目モデル。参考車両の「SLK200 Trend+ R172」は全長4150mm、全幅1845mm、全高1295mmの車体に、184PS/30.6kgmを発生するM274型1991ccエンジンを搭載した2人乗りオープンカー。

2代目 171454型 SLKクラス
171454 SLKクラスは2004/09に登場した2代目モデル。参考車両の「SLK280 R171」は全長4090mm、全幅1810mm、全高1300mmの車体に、231PS/30.6kgmを発生する272M30型2996ccエンジンを搭載した2人乗りオープンカー。

初代 170A23R型 SLKクラス
170A23R SLKクラスは1997/04に登場した初代モデル。参考車両の「SLK230 R170」は全長3995mm、全幅1745mm、全高1265mmの車体に、193PS/28.6kgmを発生するM1117型2294ccエンジンを搭載した2人乗りオープンカー。