W126:Sクラス クーペの性能と維持費 FR/4AT 2585万円 1989年式

このページでは、AMGの2ドア・4人乗りクーペ、2代目のW126型Sクラス クーペ 560SEC 6.0-4V W126【1989/04モデル・360PS/55.9kgm・FR/AT車】のカタログスペックを基に、税金と年間維持費、車検費用の目安の算出、主要諸元から推測される走行性能のインプレ評価およびレビュー、並びにタイヤサイズ変更のシミュレーションをしています。

W126 Sクラス クーペ
販売期間:1989/04 - 1993/10

画像はAMGより引用
http://mercedes-amg.jp/
投稿:2012/02/07|更新:2019/09/26

ボディサイズが全長4935mm×全幅1850mm×全高1320mm、排気量は5956ccであることから、大雑把に分類すると6.0リットルクラス(6000cc、自動車税は6.0L以下を適用)に属し、全長、全幅、排気量ともに5ナンバー枠を超えていることにより完全無欠の3ナンバー登録車です。いわゆる【高級車】にカテゴライズされます。

駆動方式にはエンジンを車体の前方に搭載し、後輪のみを駆動する、フロントエンジン・リヤドライブ方式(後輪駆動・FR・RWDとも)を採用しています。前輪は操舵、後輪は駆動と役割分担が異なることから優れたハンドリングを得られるとされ、運転の質を求める人々から絶大なる支持を集めます。高級車の代名詞的な駆動方式です。

ちなみに、車体形状や用途に関係なく全長のみを基準とした分類方法で各セグメントに当てはめると、全長が4935mmであるこの車の場合は「ラグジュアリー」(Luxury:4900mm超・Fセグメント相当)に属します。※国や時代によって基準は異なります。


W126型 Sクラス クーペ [5956cc/360PS FR/4AT] お品書き


維持費にまつわるエトセトラ

エンジンの最高出力・最大トルク

No Data
タイヤサイズ変更とメーター誤差

各種スペックの相対評価と通知表
お金にまつわるエトセトラ
1年間のランニングコスト
エンジン性能と特性
パワーウェイトレシオ
No Data
タイヤサイズ変更と
スピードメーター誤差
各種スペックの相対評価と
レーダーチャート

2代目Sクラス クーペの類型&他グレード 新着順

  • 吸気方式のNAは自然吸気、TBはターボ、SCはスーパーチャージャー、TSはTB+SCの略
  • 燃費の文字が赤色のものはレギュラーガソリン、青色のものはハイオクガソリン、緑色のものは軽油を燃料とするエンジンを搭載した車種

年式
画像
車両型式
グレード
出力
燃費
1989/04
W126型
[560SEL 6.0-4V W126]
6.0L-NA | FR/4AT
| 2455.0万円
360PS
55.9kgm
-
Sクラス クーペの新型モデル
3代目 W140型Sクラス クーペ
W140型Sクラス クーペは1993/10に登場した3代目モデル。参考車両の「S600C-6.0 W140」は全長5080mm、全幅1915mm、全高1440mmの車体に、440PS/61.2kgmを発生する120982型5987ccエンジンを搭載。


主要諸元とエンジン諸元

主要諸元
メーカー AMG
車名&
グレード
Sクラス クーペ
560SEC 6.0-4V W126
その他 2V(320ps,51.5kgm)
お値段 25850000円
車両型式 W126
駆動方式
変速機
FR・後輪駆動(RWD,2WD)
4速AT・4速オートマ車
ドア/定員 2ドア/4人
車体寸法 長4935×幅1850×高1320mm
軸距&
輪距
2845mm
前1555mm/後1525mm
タイヤ 前輪:225/50R16
後輪:225/50R16
ブレーキ 前:ベンチレーテッドディスク
後:ドラム
車両重量 1800kg
エンジン諸元
原動機型式 不明
気筒配列 V型8気筒
排気量5956cc
圧縮比9.8
吸気方式 自然吸気(NA・ノンターボ)
最高出力 360PS[265kW]/5500rpm
最大トルク 55.9kgm[548Nm]/4000rpm
使用燃料 ハイオクガソリン

V型8気筒とは‥シリンダをV字型に交互で8個配置する方式。中?大排気量のスタンダード。
V型8気筒の最高出力ランキング

税金と年間維持費のシミュレーション

ここでは、春になると毎年欠かさず支払いを催促される自動車税101100円、払わなければ車検を受けさせてもらえない自動車重量税25200円/年と自賠責保険料10005円/年、年間1万km走行した際に掛かるガソリン代月額9500円の任意保険に加入し、走行5000km毎にエンジンオイル交換、5年5万km毎にタイヤ交換するとしたときの年間維持費(ランニングコスト)を見てみます。

さらに、1989/04モデルのSクラス クーペを34年落ちの中古で568.7万円にて購入し、頭金なしで5年ローンを組んだと仮定したときの年間支払額(金利分は含まず)も踏まえて、上記の維持費と合算した場合の想定維持費も計算してみました。

  • 中古車の価格は当該車種の参照年から経過した年数に応じて新車価格の90%から10%の範囲で上下させています。
    Sクラス クーペの1989/04モデルの場合、2023年現在では13年以上が経過しているため、新車価格の20%である517万円に諸経費として51.7万円を足した568.7万円を中古車価格の目安としています。
  • ローンの年数については月額5万円の支払いを基準として、ローンの支払額が60万円以下は1年、120万円以下は2年、180万円以下は3年、240万円以上は4年、それ以上は5年としています。
  • 任意保険の金額については特に根拠のない一例です。具体的な掛け金は運転者の年齢や家族構成、年間走行距離、保険内容、車両保険の有無等によって大きく異なります。
  • 自動車保険は比較で安くなる!

1989年式を34年落ちの中古で買った場合の年間維持費

名目 区分 金額
自動車税(1年分) 6000cc以下 13年経過 101100円
自動車重量税(1年分) 2.0トン以下 18年経過 25200円
自賠責保険料(1年分) 自家用乗用車 10005円
燃料代(年間1万km) 10000km÷5.6km/L×175円/L 312500円
オイル交換(5000km毎) 1回9000円×2回 18000円
タイヤ交換(5年5万km毎) 1本12000円×4本÷5年 9600円
任意保険料(月額9500円) 月額9500円×12ヶ月 114000円
ローン完済後の年間維持費 590500円
名目 区分 金額
車のローン額(1年分) 月額94780円×12ヶ月 1137360円
ローン返済中の年間維持費 1727800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分+検査手数料等3000円程度 73500円
名目 金額
自動車税(1年分) 101100円
自動車重量税(1年分) 25200円
自賠責保険料(1年分) 10005円
燃料代(年間1万km) 312500円
オイル交換(5000km毎) 18000円
タイヤ交換(4年4万km毎) 9600円
任意保険料(月額9500円) 114000円
ローン完済後の年間維持費 590500円
名目 金額
車のローン額(1年分) 1137360円
ローン返済中の年間維持費 1727800円
次回車検費用の積み立て目安
重量税2年分+自賠責24ヶ月分
+検査手数料等3000円程度
73500円
  • 初度登録から13年以上経過車の場合、「6000cc以下で13年経過」クラスの自動車税は101100円、「2.0トン以下で18年経過」クラスの自動車重量税は25200円(単年)です。
  • エンジンオイル交換の金額は、5000km走行ごとに9000円のオイル交換作業を年2回行うと仮定した場合のもの。
  • タイヤ交換の金額は、1本12000円のタイヤ4本を4年周期で交換すると仮定した場合のもの。
  • 任意保険料の金額は、月額9500円の保険に加入した場合の12ヶ月分の支払い額。
  • 2015年4月1日からの自動車税の割増(10%増税→15%増税)に対応。
  • 2016年4月1日からの自動車重量税の変更に対応。
  • 2017年4月1日からの自賠責保険料の改定に対応。
  • 2019年10月1日以降に新車登録された自家用乗用車の自動車税額変更に対応。
    ただし今流行のエコカー減税(自動車税、自動車重量税等の減免)には対応できていません。
  • 10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTCモード燃費いずれもデータがないので10.0km/Lを仮の燃費として代入。
  • 名目にある金額の基準は、年間維持費の算出基準まとめ をご覧ください。
  • 車検費用の目安とした73500円は、車検にまつわる全ての作業を自分自身で行うユーザー車検を想定したもので、車検代行を利用するなら車検代行手数料(15000円前後)が別途で必要です。
    安心安全の自動車整備工場にお任せするなら部品代と工賃(整備内容により変動)、24ヶ月点検整備(20000円前後)が追加され、車検費用は相応に高くなります。

年間の維持費が50万円を超えてくると、これはもうこの車そのものが趣味の世界です。若しくは、これだけの維持費が掛かる車を所有していることに喜びを感じ、意義を見出しているのかもしれません。

名にし負うSクラス クーペともなると、維持費は月額でさえ49300円(ローン完済前は144000円)という破格の金額になってしまうことを思えば、とてもじゃないけど新車で買って5年のローンを抱えながら乗るような車ではありません。清水の舞台から飛び降りる覚悟でご近所を一周して満足するか、盆栽としてガレージに飾っておくならまあ、あるいは…


低走行距離での年間維持費|3000km・5000km・7000km

せっかくのマイカーを前にして、あまりにも涙ぐましい経費削減は気の引けるものですが、しかし先行き不安なこのご時世では背に腹はかえられないのもまた事実です。

走行距離が少なくなればガソリン代は目に見えて削減されますし、タイヤは摩耗が減って長持ち、オイル交換も年1回になってお財布もニッコリ…いうわけで、ここでは年間走行距離を3000km・5000km・7000kmとしたときの年間維持費をシミュレートしてみます。

年間3000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 30%
自動車重量税 1年分 25200円 7%
自賠責保険料 1年分 10005円 3%
燃料代 3000km分 93750円 28%
オイル交換 年1回 9000円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 80% 91200円 27%
合計
[1万kmとの差額]
336700円
-253800円
-
年間5000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 25%
自動車重量税 1年分 25200円 6%
自賠責保険料 1年分 10005円 2%
燃料代 5000km分 156250円 39%
オイル交換 年1回 9000円 2%
タイヤ交換 6年毎 6400円 2%
任意保険料 85% 96960円 24%
合計
[1万kmとの差額]
405000円
-185500円
-
年間7000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 21%
自動車重量税 1年分 25200円 5%
自賠責保険料 1年分 10005円 2%
燃料代 7000km分 218750円 46%
オイル交換 年1回 12600円 3%
タイヤ交換 6年毎 6400円 1%
任意保険料 90% 102600円 22%
合計
[1万kmとの差額]
476700円
-113800円
-

自動車税、重量税、自賠責保険については、走行距離がどうであろうと変わりませんが、ガソリン代は走行距離に応じた分だけ削減、オイル交換は年間3000km走行と5000km走行は年1回、7000km走行は1回分+αの金額としています。

タイヤ交換費用については、スリップサインまで40000km持つものとして走行距離に応じて按分(ただし最大6年で交換とする)、任意保険料については、年間3000km走行は10000km走行での保険料114000円の80%、年間5000km走行は85%、年間7000km走行は90%の金額に割引されるものとして計算しました。

年間3000km走行では、10000km走行に比べて253800円安い336700円に、5000km走行では185500円安い405000円に、7000km走行では113800円安い476700円という結果になりました。

多走行距離での年間維持費|15000km・20000km

続いて年間で10000kmを超える多走行の場合、15000kmと20000kmを例として計算してみます。ガソリン代は走行距離に応じて増額、オイル交換費用はそれぞれ年3回分と年4回分、タイヤ交換費用は走行距離に応じて按分、任意保険料は10000km時と同額としたのがこちらです。

年間15000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 13%
自動車重量税 1年分 25200円 3%
自賠責保険料 1年分 10005円 1%
燃料代 15000km分 468750円 60%
オイル交換 年3回 54000円 7%
タイヤ交換 2.7年毎 14400円 2%
任意保険料 100% 114000円 14%
合計
[1万kmとの差額]
787500円
+197000円
-
年間20000km走行の場合
名目 金額 比率
自動車税 101100円 10%
自動車重量税 1年分 25200円 3%
自賠責保険料 1年分 10005円 1%
燃料代 20000km分 625000円 65%
オイル交換 年4回 72000円 7%
タイヤ交換 2年毎 19200円 2%
任意保険料 100% 114000円 12%
合計
[1万kmとの差額]
966600円
+376100円
-

自動車関連費用は家計に多大なるダメージを与えてきますから、不要不急の外出を控えたり、今流行の走行距離に応じて保険料が変わる任意保険を選んだり、1円でも安いガソリンスタンドを探したり、グレードの低いオイルやタイヤでお茶を濁したり…と、あの手この手で工夫して耐え忍びましょう。

「しかし物には限度がある、数年単位の維持費を考えると気が滅入る、だが車は必要だ、背に腹は代えられぬ…」というときは、排気量が小さくて燃費が良くて、車両重量の軽い車に乗りかえるという選択をしますと、各種税金や保険料、車検費用などなどトータルの維持費が格段に抑えられお財布もニッコニコです。


1km走行コストと月間&年間交通費

距離/日費用/日月換算年換算
10km310円6800円8.1万円
20km630円13900円16.4万円
30km940円20700円24.4万円
50km1560円34300円40.6万円
100km3130円68900円81.4万円

さて、ハイオクガソリン1リットルの燃料価格を175円、燃費を5.6km/Lとしたとき、1km走行あたりのコストは31.25円になります。

たとえばこの車を通勤車とした場合、1日の走行距離が10kmならガソリン代は310円/日となり、20km走行なら630円/日、30km走行なら940円/日、50km走行なら1560円/日、100km走行なら3130円/日かかる計算です。

1か月の労働日数を22日として計算すると、通勤距離が30kmなら月間の走行距離は660kmでガソリン代は20700円/月、1年間の労働日数を260日とすると年間の走行距離は7800kmでガソリン代は24.4万円/年という塩梅です。


カタログデータから見えてくる要素

簡易エンジン性能曲線図
型エンジン性能曲線図もどき
各回転域での馬力
4000回転時の馬力 312PS
5500回転時の馬力 360PS
5500回転時の馬力 360PS
各回転域でのトルク
4000回転時のトルク 55.9kgm
5500回転時のトルク 46.9kgm
5500回転時のトルク 46.9kgm

まずおさらいとして、搭載しているV型8気筒、5956ccの自然吸気エンジンは5500回転時に最高出力360馬力を、4000回転時に最大トルク55.9kgmを発生します。

馬力と回転数が分かればトルクが、トルクと回転数が分かれば馬力が計算できますので、それぞれの点と点とを線で繋いでパワーカーブとトルクカーブのエンジン性能曲線図もどきを作ってみました。

トルクの山が中央より左にあるか右にあるかを基準にしてエンジン特性を探ってみますと、最大トルクと最高出力の発生回転数が程よく近いこのエンジンは、高めの回転数が得意なタイプのエンジンです。日常での使い勝手をある程度は確保しつつ、高回転のパワー感もしっかり伴う雰囲気の良さが自慢です。

※実際のところは車両重量やギヤ比、排気量に対する気筒数の多少によって印象が異なってくると思います。

ちなみに、エンジンのパワーバンドを「最大トルクが発生する4000rpmから最高出力が発生する5500rpmまで」の1500rpmとしたときの、最高回転数に対するパワーバンドの割合は27.3%となります。※右記(下記?)簡易性能曲線図オレンジ色の帯域

最高出力ランキング リスト
5000cc超クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編
最大トルク ランキング リスト
5000cc超クラス編
輸入車・外車の小型車&普通車編

うわっ…私の体重、重すぎ…?

さて、車の速さを知るための指標としてよく使われる パワーウェイトレシオ5.000kg/PS(1800kg/360PS)となっていますが、巷でよく見るであろうこの数値の多くはドライバーが乗った状態でのものではなく、あくまでも車両重量と最高出力のみで計算したものです。

車重と搭乗者とPWR
車体のみ5.000kg/PS
車体+1人5.153kg/PS
車体+4人5.611kg/PS
お腹と車重とPWR
車体+60kg5.167kg/PS
車体+70kg5.194kg/PS
車体+80kg5.222kg/PS
車体+90kg5.250kg/PS
車体+100kg5.278kg/PS

というわけで、車両総重量の求め方に倣い人間の体重55kgを加えて計算し直してみますと、ドライバーのみが搭乗したときのパワーウェイトレシオは5.153kg/PS(1855kg/360PS)となり、数値としては0.153kg、比率にすると3.1%ほど悪化します。

次に乗車定員いっぱいの4人が搭乗した場合、車両重量に220kgがプラスされてパワーウェイトレシオは5.611kg/PS(2020kg/360PS)となり、数値としては0.611kg、比率にすると12.2%も悪化することになります。

もともとが重量級の車であれば、人が少々乗ったところで体重の占める割合が小さいことから変化も小さいですが、軽量級の車ではお腹まわりのお肉が大きな影響力を持つことがわかります。


W126 Sクラス クーペのライバル候補車たち

愛すべきライバル車種
1989/04

-
Sクラス クーペ
5.153kg/PS
1855kg/360PS|6.0L-NA
[車体のみPWR:5.000]
2014/08

車種詳細
WRX STI
4.984kg/PS
1535kg/308PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.805
2014/08

車種詳細
WRX S4
5.317kg/PS
1595kg/300PS|2.0L-TB
車体のみPWR:5.133
2002/01

車種詳細
シルビア
5.180kg/PS
1295kg/250PS|2.0L-TB
車体のみPWR:4.960
2011/11

車種詳細
インプレッサWRX
5.150kg/PS
1545kg/300PS|2.5L-TB
車体のみPWR:4.967
2007/10

車種詳細
S2000
5.300kg/PS
1325kg/250PS|2.0L-NA
車体のみPWR:5.080

車両重量にドライバーの体重を加えますと、過去に見てきたパワーウェイトレシオ界隈の様相も変わってくることがわかりましたので、ここでは余興としてドライバー込みのパワーウェイトレシオ5.153kg/PSと近い数値を持つ車種をいくつかピックアップしてみます。

4.947kg/PSから5.359kg/PSの範囲で人気度を優先して選んでみたところ、スバルの5人乗りセダン「VAB型 WRX STI」、スバルの5人乗りセダン「VAG型 WRX S4」、日産の4人乗りクーペ「S15型 シルビア」、スバルの5人乗りハッチバック「GRF型 インプレッサWRX」、ホンダの2人乗りオープンカー「AP1型 S2000」という顔ぶれが並びました。

「えっ!あの車がライバル!?(大歓喜)」だったり、あるいは「えっ…あの車がライバル…?(大号泣)」だったり悲喜こもごもありましょうが、数値の上では「良き隣人」ということになります。

W126型 Sクラス クーペ [560SEC 6.0-4V W126]とパワーウェイトレシオが近い車種|5.153kg/PS

ちなみに、日本では Power Weight Ratio(1馬力あたりが担う重量)が自動車の加速性能を推測する指標としてよく用いられますが、海外では Power to Weight Ratio(車両重量1トンあたりの出力)という指標が重用され、こちらの数値は200.0PS/tとなっています。


Sクラス クーペがバイクと競争するなら…?


車種詳細
アフリカツイン|742cc
5.105kg/PS
291kg/57.1PS/6.12kgm
[車体のみPWR:4.140]
1989/04

-
Sクラス クーペ|5956cc
5.153kg/PS
1855kg/360PS/55.9kgm
[車体のみPWR:5.000]

車種詳細
ZZR400|399cc
5.189kg/PS
275kg/53.0PS/3.80kgm
[車体のみPWR:4.151]

幸か不幸か、自動車に魅入られてしまった人はバイクにも並々ならぬ興味があったりします。バイクという乗り物は往々にして、見るからに速そうならきっちりと速いもので、高回転高出力のエンジンと超軽量な車体を武器に、目にも留まらぬ速さで点になります。

などと、酸いも甘いも噛み分けすぎて達観したようなことを言っても人生つまりませんので、ここではSクラス クーペとパワーウェイトレシオが近いバイクを探して、ああでもない、こうでもないを楽しみましょう。

RD04 アフリカツインと競争してみる

まずSクラス クーペより少しPWRが低いバイクとして、ホンダのアフリカツインが挙げられます。PWRの5.105kg/PSは車両重量236kgにライダーの体重55kgを加えた291kgを、最高出力57.1PSで割ったものです。

ZX400N ZZR400と競争してみる

続いて少しPWRが高いバイクとしては、カワサキのZZR400が挙げられます。PWRの5.189kg/PSは車両重量220kg+55kgの275kgを、最高出力53.0PSで割ったもので、(PWRで比較すれば)まさに街角の好敵手と呼べるバイクです。


その他の諸元いろいろ

いろいろな数値
WB/TR比 1.847
トルクウェイトレシオ 32.20kg/kgm
1馬力あたりのお値段 71806円
排気量1Lあたり馬力 60.44PS/L
排気量1Lあたりトルク 9.39kgm/L
1気筒あたりの馬力 45.0PS
1気筒あたりのトルク 7.0kgm
パワーバンド比率 27.3%
燃費×馬力 No data
各種ランキング
クーペのPWR
5.0L超のPWR

トルクウェイトレシオは32.20kg/kgm(1800kg/55.9kgm)なのですが、トルクについてはギヤ比でどうにでもなりますので、ここでの大小はあまり重要ではありません。(詳しくはギヤ比編にて)

ついでに馬力単価を計算してみると、お値段が25850000円、最高出力が360馬力であるこの車の場合、1馬力あたりのお値段は71806円、逆に1万円あたりでは0.14馬力を得ることができます。ついでのついででトルク1kgmあたりのお値段は462433円、1万円あたりでは0.02kgmとなります。

1馬力あたりのお値段が安い車ランキング
総合ランキング
輸入車編
5000cc超の車編
クーペ編

●最高出力を排気量で割ったリッター換算馬力は60.44PS/L、トルクは9.39kgm/L、1気筒あたりの馬力は45.0馬力、トルクは7.0kgmとなります。
排気量1リットルあたりの馬力ランキング

●この車のホイールベースを前後トレッドの平均で割って算出されるホイールベーストレッド比は1.847になります。全ての車種の平均値である1.753を基準にざっくりと分類すると、どちらかというと真っ直ぐ進むことを得意とする傾向にある車と言えそうです。
ホイールベーストレッド比が小さい車ランキング


Sクラス クーペでの車中泊

期待される客室寸法
期待される荷室の長さ 1.73m
期待される荷室の幅 1.45m
対角線の長さ 2.26m
期待される荷室の面積 2.51m²

ここでは全長の35%を【期待される荷室の長さ】、室内幅から100mm(不明の場合は全幅から400mm)引いたものを【期待される荷室の幅】とし、それらを掛け合わせて【期待される荷室の面積】、「縦の長さが厳しいなら斜めに寝れば良いじゃない!」ということで、おまけ要素として【対角線の長さ】も計算してみました。

縦方向の長さが1.73m(対角線では2.26m)などという破格のクラスになると、これはもう四の五の言わず車に住むべきです。

これだけの車を所持できる素養は持ち得ているのですから、細かいことは気にせずあらゆる支配からの卒業を宣言し、信じられぬ大人との争いに終止符を打ちましょう。

セダンやクーペであっても後部座席の背もたれを取り外してトランクルームと貫通させて荷室長を確保すれば良いだけの話です。たまに背もたれを取り外してもトランクルームと繋がっていなかったり、頑強な補強バーが入っていて邪魔されることもありますが、恐らく稀なケースです。
車中泊にあると嬉しいアイテム


Sクラス クーペの燃料タンクと燃費と航続距離と

燃料タンクと燃費と航続距離と
暫定基準燃費 5.6km/L
燃料タンク容量 90L
航続距離(カタログ燃費) 504.0km
航続距離(80%燃費) 405.0km
満タンプライス 15750円

10・15モード燃費、JC08モード燃費、WLTPモード燃費ともにデータがないので5.6km/Lを仮の燃費とすると、燃料タンクの容量が90リットルですと航続可能距離は504.0kmになります。(カタログ燃費通りに走行できた場合)

実際にはそうもいきませんから、オイル交換やタイヤ空気圧の管理といった定期メンテナンスを確実に実施した上での実燃費をカタログ燃費の90%(5.0km/L)とすると450.0km、80%(4.5km/L)だと405.0km、70%(3.9km/L)では351.0kmという航続距離になります。

燃料タンクに1滴の燃料もないスッカラカンの状態から満タンにしたときの金額を計算してみますと、ハイオクガソリン90リットルの給油で15750円、上で計算した航続距離を踏まえると504.0km(80%燃費時405.0km)を走行するのに15750円かかる計算です。



純正装着タイヤの225/50R16と互換可能な車検対応サイズ|簡易版

下の表では純正サイズを基準としてタイヤ幅を-20mmから+20mm、扁平率を-5%から+5%まで変化させたときのスピードメータ誤差が、マイナス方向を水色、-5.0%から+2.0%までを緑色、+6.0%までを橙色に着色しています。

※ここではタイヤの直径(外径)のみを基準としています。タイヤの幅を広くしすぎてサスペンションと干渉したり、はみ出てしまって車検に通らないからとフェンダーを叩いたり引っ張ったりキャンバーを付けたりで四苦八苦、ホイール幅が狭すぎてなんかイマイチ…という事例もありますので、ホイールのオフセットとリム幅にはご注意ください。

純正タイヤ 225/50R16 | 直径 631mm

-20mm
幅205mm
-10mm
幅215mm
変更なし
幅225mm
+10mm
幅235mm
+20mm
幅245mm
-5%
45
扁平
205/45R16
37.5km/h
直径591mm
径差-40mm
215/45R16
38.0km/h
直径600mm
径差-31mm
225/45R16
38.6km/h
直径609mm
径差-22mm
235/45R16
39.2km/h
直径618mm
径差-13mm
245/45R16
39.7km/h
直径627mm
径差-4mm
0%
50
扁平
205/50R16
38.7km/h
直径611mm
径差-20mm
215/50R16
39.4km/h
直径621mm
径差-10mm
225/50R16
40.0km/h
631mm
0mm
235/50R16
40.6km/h
直径641mm
径差+10mm
245/50R16
41.3km/h
直径651mm
径差+20mm
+5%
55
扁平
205/55R16
40.1km/h
直径632mm
径差+1mm
215/55R16
40.8km/h
直径643mm
径差+12mm
225/55R16
41.5km/h
直径654mm
径差+23mm
235/55R16
42.2km/h
直径665mm
径差+34mm
245/55R16
42.9km/h
直径676mm
径差+45mm
+10%
60
扁平
205/60R16
41.3km/h
直径652mm
径差+21mm
215/60R16
42.1km/h
直径664mm
径差+33mm
225/60R16
42.9km/h
直径676mm
径差+45mm
235/60R16
43.6km/h
直径688mm
径差+57mm
245/60R16
44.4km/h
直径700mm
径差+69mm

もし上記表の中から車検に安心なタイヤを選ぶのであれば、メーター誤差が-5.0%から0%の間にあって車高への影響も少ない 、205/50R16 、215/45R16、215/50R16 、225/45R16 、235/45R16 、245/45R16あたりのタイヤがおすすめです。

225/50R16のタイヤ幅を205mmから255mmまで、扁平率を35%から65%までの範囲に拡大した適合タイヤの一覧表および、ホイールサイズを16インチからインチダウン、インチアップした場合の一覧表は、純正装着タイヤが225/50R16のとき互換可能なタイヤサイズのページをご覧ください。

純正のホイールサイズから大径化したり、幅の広いタイヤ、扁平率の低いタイヤに交換しようとするとタイヤ代が高くなる傾向にありますので、少しでも維持費を抑えたい、今はお財布の中身が心許ないといった際にはオートウェイのタイヤ通販をご覧ください。


W126型Sクラス クーペ[6.0L-NA FR/4AT]の通知表

ここではこのページを締めくくる集大成として、パワーウェイトレシオや1速ギヤでの加速性能、排気量1Lあたりの出力、ホイールベーストレッド比からなるスポーツ性能部門と、時速100kmでの巡航回転数、燃費、車体の大きさ、室内の広さからなるユーティリティ部門とに大別し、このサイトで登録している全車種の平均値から偏差値を求めて優劣を調べてみたいと思います。

スポーツ性能部門
評価項目数値得点
パワーウェイト5.000kg/ps63.01
1速ギヤ加速性能-39.91
1L換算馬力60.44ps/L39.99
1L換算トルク9.39kgm/L49.02
WB/TR比1.84742.37
ワイド&ロー指数0.71462.98
前面の面積2.442m²54.93
最低地上高-43.65
スポーツ性能部門の得点395.86

※ここではパワーウェイトレシオ・1速ギヤ加速性能・ホイールベーストレッド比・ワイド&ロー指数・前面の面積については数値が小さいほど高得点。リッター換算馬力・換算トルクについては数値が大きいほど高得点としています。


ユーティリティ部門
評価項目数値得点
燃費-41.40
年間維持費590500円25.31
100kmh回転数-43.41
航続距離-25.56
車の大きさ12.051m³52.72
室内の広さ(仮) 2.185m³38.16
最小回転半径-39.23
馬力単価71806円0.01
ユーティリティ部門の得点265.80

※ここでは燃費・航続距離・車の大きさ・室内の広さは数値が大きいほど高得点、年間維持費・100km/h回転数・最小回転半径・馬力単価は数値が小さいほど高得点としています。

スポーツ性能部門およびユーティリティ部門の得点を合計した W126型Sクラス クーペ[6.0L-NA FR/4AT] の総合得点は 661.66 点です。獲得点数が多い車種から順番に並べた 総合得点ランキング を用意してありますので、よろしければご覧ください。

上記リンク先では、今回このページで紹介したW126型Sクラス クーペ(FR/4AT) の各種スペックを、「全ての車種」、「全てのクーペ」、「5000cc超のクーペ」という属性で評価したとき、それぞれの項目が相対的にどのくらい優れているか、劣っているかを調べてみました。基準が変わると手のひらを返したように評価も変わる様子をご堪能ください。

Sクラス クーペの歴代モデル

7代目 223033型 Sクラス セダン
223033 Sクラス セダンは2021/01に登場した7代目モデル。参考車両の「S400d 4matic W223」は全長5180mm、全幅1920mm、全高1505mmの車体に、330PS/71.4kgmを発生するOM656型2924ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

6代目 222104型 Sクラス セダン
222104 Sクラス セダンは2013/10に登場した6代目モデル。参考車両の「S300h Long W222」は全長5250mm、全幅1900mm、全高1495mmの車体に、204PS/50.9kgmを発生するOM651型2142ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

5代目 221179型 Sクラス セダン AMG
221179 Sクラス セダン AMGは2005/10に登場した5代目モデル。参考車両の「S65 AMG Long W221」は全長5260mm、全幅1870mm、全高1485mmの車体に、629PS/102.0kgmを発生する275M60型5980ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

4代目 220074型 Sクラス
220074 Sクラスは1999/08に登場した4代目モデル。参考車両の「S55 W220」は全長5045mm、全幅1855mm、全高1445mmの車体に、360PS/54.0kgmを発生する11386型5438ccエンジンを搭載した5人乗りセダン。

3代目 W140型 Sクラス セダン
W140 Sクラス セダンは1993/10に登場した3代目モデル。参考車両の「S500-6.0 W140」は全長5120mm、全幅1910mm、全高1490mmの車体に、380PS/59.1kgmを発生する119970型5956ccエンジンを搭載した4人乗りセダン。

2代目 W126型 Sクラス クーペ
W126 Sクラス クーペは1989/04に登場した2代目モデル。参考車両の「560SEC 6.0-4V W126」は全長4935mm、全幅1850mm、全高1320mmの車体に、360PS/55.9kgmを発生する119970型5956ccエンジンを搭載した4人乗りクーペ。